1990年、「障害者を名古屋市政へ」という思いから「まことと共に名古屋をかえる仲間たち」を結成しました。同年6月に行われた補欠選挙で車いすの斎藤まことが当選したことで、全国で政令市初の「車いす議員」が誕生しました。斎藤まことは以後通算7期に渡って市会議員を務めましたが、2016年に患った大病により議員活動を継続することが難しくなり2023年に引退しました。活動を引き継ぐために同じく車いすで生活する金重政玉さんに思いを託して選挙に挑みましたが、残念ながら落選しました。その結果、名古屋市議会から障害者の議員はゼロになってしまいました。私たちは障害者が市政に参画することが重要であると考え、2027年4月の名古屋市会議員選挙に障害者を擁立して議席を獲得するために2024年12月に「みんなと共に名古屋をかえる仲間たち」を発足しました。

共同代表

斎藤まこと(前名古屋市会議員)

かねしげ政玉(まさたま)(DPI日本会議障害者権利擁護センター長、内閣府共生社会政策担当調査官、明石市障害者福祉担当課長を歴任)

斎藤まこと (前名古屋市会議員)について

1960年、三重県四日市市生まれ。
3歳の時に発病。下半身マヒとなる。
1984年3月、名古屋大学法学部卒業。
1986年より障害をもつ人ももたない人も共に働く場、共に生活する場を運営する「わっぱの会」で働き始める。
1986年「誰もが生きられる街と交通をつくる会」を結成、代表となる。
1990年6月、名古屋市会議員選挙千種区補欠選挙で当選。政令指定都市初の「車いす」議員となる。
1999年5月より再び名古屋市会議員として活躍。
2019年4月の名古屋市会議員選挙で7期目の当選。
2023年3月、2015年に発症した心臓病と脳梗塞の後遺症により議員活動の継続が困難となり、市会議員を引退。


議員活動の他、わっぱの会、NPO共同連、共働研究会、障害者の政治参加をすすめるネットワーク、NPO部落解放・人権研究会、遺伝子組み換え食品を考える中部の会、水源の里を守ろう木曽川流域みん・みんの会、成年後見人制度、などの活動に取り組んできました。

私たちがめざす社会

平和こそ最大の福祉

斎藤まことが1990年から「平和こそ最大の福祉」と訴えてきました。平和な社会がなければ福祉は実現できません。「集団的自衛権の行使への反対」「核兵器禁止条約への批准」を名古屋から国に対して訴えていきます。

誰ひとり取り残さない社会

社会的に不利な立場に置かれている高齢者、子育て世代、障害者、生活困窮者、ひきこもりの方たちも安心した生活ができ、働く場ができる社会を目指します。

人にやさしいバリアフリーの街づくり

車いすを使う人をはじめ、障害のある人が移動しやすい街は、高齢者はベビーカーを押す人など誰にとってもやさしい街です。名古屋をバリアフリーの暮らしやすい街にします。

持続可能な循環社会

大量生産・大量消費ではない環境に配慮した名古屋市にしたいです。
名古屋のおいしい水の源である木曽川上流との交流をすすめます。

議会・行政改革の実現

斎藤まことは2010年まで名古屋市の市会議員に支給されていた「費用弁償」は政務調査費との二重取りであり不必要と訴え、議員引退後の2023年には約787万円を名古屋市に寄付しました。これに限らず、議会・行政は普段の改革が必要です。

どうして障害者議員にこだわるのか

障害者議員の活躍で誰もが暮らしやすい社会に!

障害者が暮らしやすい社会は誰もが暮らしやすい社会です。バリアフリーはその典型例です。斎藤まことは1986年に「誰もが生きられる街と交通をつくる会」を結成し、地下鉄にエレベーター設置を求める活動等の活動をしてきました。現在では名古屋市営地下鉄には全ての駅にエレベーターが設置されており、エレベーターは障害者だけではなく足が不自由な高齢者や、子ども連れでベビーカーを押す人、大きな荷物をもっている人たちが多く利用しています。

障害者でしか気づけない問題

障害者のみではなく、女性、海外ルーツの人、難病患者、ひきこもりの人たちの中には、生活のしづらさ、生きづらさを感じていても声を上げることができない人が大勢います。生きづらさの原因は決して本人のみではなく社会の側にもたくさんありますが、当事者である本人のみでしか問題に気づくことはなかなかできません。以前に比べて障害者の社会参加は進みましたが、以前として教育、地域生活、働くといったことについては不十分です。不自由な思いを自ら体験している障害者だからこそ、同じような立場に置かれている人たちの問題に気づくことができます。

議員に占める障害者の割合が少ないという現実

R5年度の障害者白書によると国民のうち9.2%が何らかの障害をもっていると推計されています。一方で「障害者の自立と政治参加を進めるネットワーク」によれば障害者の国会議員は5人、地方議員は39人程度(2023.4.8時点)とされ、割合はそれぞれ0.7%と0.1%に過ぎません。多様な社会問題に対応するためには議会も多様でなければいけません。障害者のみではなく、女性や若者といったこれまで議会に参加する機会が少なかった人たちが議会に参画していく必要があります。2023年3月に斎藤まことが引退したことによって名古屋市議会には障害者議員がいなくなってしまいました。